〜ジーマーミ豆腐・ミミガーなどに潜む意外な落とし穴〜
沖縄旅行の楽しみといえば、やっぱり「食」。
ゴーヤーチャンプルーや沖縄そば、ラフテーなど、地元の味を旅先で味わうのは最高ですよね。
でも実は、沖縄料理の中にはアレルギーの原因となる原材料が使われているものも少なくありません。
特に、ピーナッツや小麦などの食物アレルギーを持つ方にとっては、料理名だけでは判断が難しいケースもあります。
今回は、沖縄県医師会・那覇市立病院・地元メディアの情報をもとに、アレルギーに注意すべき沖縄料理と安全に楽しむポイントをまとめました。
沖縄料理の魅力とアレルギーリスク
沖縄の食文化は、琉球王国時代から受け継がれる伝統と、アジア各国や本土文化の影響を融合した独自のもの。
そのため、地元ならではの調味料や食材が多く、観光客には珍しい味わいがたくさんあります。
ただしその一方で、
「名前からは分からない原材料が使われている」ことも多く、特にピーナッツ(落花生)や甲殻類、小麦などのアレルゲンが注意されています。
特に注意したい原材料と料理例
| 原材料 | 主なアレルギー | 沖縄料理での使われ方/料理例 | 注意ポイント |
|---|---|---|---|
| ピーナッツ(落花生) | ピーナッツアレルギー | ジーマーミ豆腐、ミミガーのピーナッツ和え | 「豆腐」と名前が付いていますが、大豆ではなくピーナッツが主原料。観光客のアナフィラキシー報告例も。 |
| 小麦 | 小麦アレルギー・グルテン過敏症 | 沖縄そば、てんぷら、タレ類 | 沖縄そばは小麦製。出汁や調味料にも小麦が含まれることがあり、グルテン過敏の方は要注意。 |
| 卵・乳製品 | 卵アレルギー、乳アレルギー | 天ぷら、洋風アレンジ料理、デザート類 | バターや卵が使われることも。離島のカフェでは表示がないケースも多いです。 |
| エビ・カニ(甲殻類) | 甲殻類アレルギー | 海鮮チャンプルー、天ぷら、出汁 | 出汁や隠し味に使われることもあり、見た目では分かりづらい場合も。 |
| ナッツ類(くるみ・カシューナッツなど) | ナッツアレルギー | お菓子、ソース | ピーナッツ以外のナッツ類も一部スイーツで使用されることがあります。 |
| マンゴー・バナナ・キウイ | ラテックス-フルーツ交差反応 | デザート・ジュース類 | ラテックスアレルギーの人は果物でも反応することがあるため要注意。 |
実例から学ぶ:ジーマーミ豆腐とミミガーの注意点
● ジーマーミ豆腐(ピーナッツ豆腐)
沖縄の定番料理「ジーマーミ豆腐」。
とろっとした口当たりとやさしい甘みで人気ですが、実は大豆ではなくピーナッツを原材料とする料理です。
沖縄県医師会によると、観光客がジーマーミ豆腐を食べてアナフィラキシーショックを起こした例も報告されています。
→ 参考:沖縄県医師会「ピーナッツアレルギー」注意喚起記事
“豆腐”という名前から安心してしまいがちですが、ピーナッツをペースト状にしたものを固めて作る料理のため、ピーナッツアレルギーの方は絶対に避けましょう。

● ミミガーのピーナッツ和え
豚の耳をスライスした「ミミガー」も人気の沖縄おつまみ。
実はこの和え物にピーナッツバターやピーナッツ味噌が使われることが多く、気づかずに摂取してしまうケースがあります。
ピーナッツアレルギーの方は「味付け」を確認することが大切です。

注意したい“隠れアレルゲン”
- 沖縄そばの出汁:かつおや豚骨ベースに小麦醤油を使用
- 天ぷらやフリッター:衣に卵・乳を使用している場合あり
- タレ・味噌ダレ:落花生やナッツ類が含まれることがある
- デザート類:マンゴー・キウイ・ナッツなどを使用
これらは一見安全そうに見えても、調味料や隠し味にアレルゲンが潜んでいる場合があります。
安心して楽しむための対策(旅行者向け)
① お店での確認を忘れずに
料理名だけでは判断せず、**「この料理にはピーナッツ(小麦・卵など)は入っていますか?」**と確認を。
アレルギー表記がないお店もあるため、念のため口頭でも伝えましょう。
② エピペンや医療情報を携帯
重度アレルギーの方は、エピペンや服薬情報カードを必ず携帯しましょう。
沖縄では離島も多く、救急搬送までに時間がかかることもあります。
③ 旅行前にアレルギー対応店舗を調べる
最近では、アレルギー対応メニューを用意するカフェやホテルも増えています。
たとえば那覇市・浦添市エリアには、除去メニューや代替素材を使ったカフェもあります。
Googleマップや「那覇市 アレルギー対応 カフェ」などで検索しておくと安心です。
お店・施設側の工夫も広がっています
沖縄県では、「ピーナッツを含む料理には必ず明記を」という取り組みが進められています。
特にジーマーミ豆腐を提供する店舗では、ピーナッツ使用の明記を求める動きも。
また、一部ホテルでは**「3日前までの予約制アレルギー対応メニュー」**を提供しています(例:ホテル日航アリビラなど)。
スタッフ教育や調理器具の洗浄など、**“見えない部分の安全対策”**に取り組む施設も増えています。
まとめ:安心して沖縄の味を楽しもう
沖縄料理は体にやさしく、地元の食材を生かした栄養豊かなものが多いです。
ただし、ピーナッツ・小麦・卵・乳・甲殻類などのアレルゲンを含む料理も多いため、
「食べる前に確認する」「無理をしない」ことが大切です。
旅の思い出を“おいしく、安心に”残すために——
少しの知識とひとこと確認を、ぜひ心がけてみてください。


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